最低賃金1,280円の答申から考える 外壁塗装の見積書は「安さの理由」まで確認を

結論から申し上げると、外壁塗装の見積書は「一番安い会社」を探すためではなく、「必要な工事を、なぜこの金額で行えるのか」を確認するための資料です。

安い見積もりが悪いとは限りません。高い見積もりなら安心とも限りません。大切なのは、価格の内訳と施工範囲が明確で、質問に対して具体的な説明が返ってくることです。

この記事の要点

  • 東京都では、最低賃金を1,226円から1,280円へ54円引き上げる答申が出ました。
  • 人件費や資材価格が変化するなか、工事価格は金額だけでなく工程と数量で比べる必要があります。
  • 今週末は、見積書の「安さ・高さの理由」を7項目で確認してみてください。

東京都最低賃金は1,280円へ 54円引き上げの答申

2026年8月5日、東京地方最低賃金審議会は、東京都の最低賃金を現在の時給1,226円から54円引き上げ、1,280円とする答申を行いました。引き上げ幅は約4.4%です。

ここで注意したいのは、最低賃金と熟練した職人の工事単価は同じものではない、という点です。最低賃金が54円上がったから、塗装工事代も単純に4.4%上がるという計算にはなりません。

実際の工事価格には、職人の技能、作業時間、足場、材料、運搬、安全対策、現場管理、保険などが含まれます。国の公共建築工事の積算でも、労務単価だけでなく、材料価格や作業量の基準となる「歩掛り」を分けて扱っています。

だからこそ、価格が動く時期ほど「総額はいくらか」だけでなく、何を、どれだけ、どの手順で行う金額なのかを見ることが重要です。

外壁塗装の価格差は、必ずしも手抜きの差ではありません

同じ建物でも、会社によって見積金額が異なることがあります。仕入れ方法、広告費、移動距離、会社の規模などによって、適正な価格差が生まれるからです。

一方で、見積書に書かれていない工程が多ければ、契約後の追加費用や、必要な処置の省略につながる可能性があります。

見るべきなのは、安いか高いかではありません。価格差の理由を、施工範囲・数量・材料・管理方法で説明できるかです。

今週末に確認したい 見積書の7項目

1.施工面積と数量が書かれているか

「外壁塗装一式」だけでは比較ができません。外壁、屋根、軒天、破風、雨樋など、部位ごとの面積や長さが記載されているか確認します。

2.下地補修の内容が具体的か

ひび割れ、浮き、欠損、錆、旧塗膜の剥がれなどは、塗る前の処置が重要です。「下地処理一式」ではなく、どの症状に何を行うのかを聞いてください。

3.シーリング工事の方法が分かるか

既存シーリングを撤去して打ち替えるのか、上から増し打ちするのかで、工程も費用も変わります。施工箇所と工法を確認しましょう。

4.塗料名だけでなく、仕様が確認できるか

メーカー名と商品名に加え、施工要領書・仕様書・標準塗布量、塗り回数、乾燥時間に沿って施工する計画かが大切です。同じ塗料でも、使用量や乾燥時間が不足すれば、本来の性能を発揮しにくくなります。

5.付帯工事と養生の範囲が明確か

足場、飛散防止ネット、高圧洗浄、養生、雨樋、庇、水切り、シャッターボックスなど、どこまで含まれているかを確認します。

6.追加費用が発生する条件が書かれているか

工事を始めてから想定外の傷みが見つかることはあります。その場合に、どの時点で写真と金額を提示し、了承を得てから進めるのかを確認してください。

7.誰が施工を確認し、何を記録するか

職人の技術に加え、施工者とは別の管理者の目線で工程を確認する仕組みがあるかも重要です。施工前、下地補修、各塗装工程、完了時の写真が残るかを聞いてみましょう。

比較項目確認する内容
工事範囲塗る場所・塗らない場所、補修箇所
数量面積、長さ、使用缶数の根拠
施工仕様商品名、塗り回数、標準塗布量、乾燥時間
追加費用発生条件、説明と承認の手順
管理体制確認者、工程写真、完了検査

3社を比べるなら、先に条件をそろえる

相見積もりは有効ですが、工事範囲が違う3枚を金額だけで並べても、正しい比較にはなりません。

まず各社に同じ要望を伝え、屋根を含むのか、足場職人はどの職人か、シーリングを打ち替えるのはどの職人か、防水工事はどの職人か、最後の仕上げの塗装職人はどの職人か?現場監督はいるのか?施工要領書はあるのか?下地補修をどこまで見込むのかをそろえます。そのうえで、金額が大きく違う場合は、次のように質問してみてください。

「この価格差は、どの工程または数量の違いから生まれていますか?」

この質問に、図面、現地写真、数量、施工仕様を使って説明してくれる会社なら、判断材料が増えます。反対に、その場で契約を急がせる場合は、いったん持ち帰って検討することをおすすめします。

建物の主治医からの処方箋

今週末、すでに見積書がお手元にある方は、総額を隠して内容だけを見てみてください。

  1. 「一式」ばかりになっていないか
  2. 下地補修とシーリングの方法が書かれているか
  3. 材料名、塗り回数、標準塗布量が確認できるか
  4. 追加費用の条件が明確か
  5. 施工中の確認者と写真記録が決まっているか

チェックが付かない項目があっても、すぐに悪い会社と決めつける必要はありません。まず質問し、書面に追記してもらうことが大切です。

約30年、外装リフォームの診断と施工管理に携わってきましたが、良い工事は、契約前の説明から始まっています。見えない部分まで手を抜かない会社ほど、見積書の内容も具体的です。


外壁・屋根の見積書で迷っている方へ

「この金額は適正なのか」「2社の工事範囲が違って比較できない」「すぐに工事が必要なのか分からない」という方は、住まいるペイントの無料建物診断へご相談ください。

屋根や外壁の劣化状態を確認し、塗装できる状態なのか、どの対策を優先すべきかをご説明します。

よくある質問

Q.安い見積もりは避けた方がよいですか?

A.金額だけで避ける必要はありません。工事範囲、数量、施工仕様、管理方法が明確で、その価格で施工できる理由を説明できるかを確認してください。

Q.見積書は何社くらい比べればよいですか?

A.2~3社を目安に、同じ条件で比較する方法が現実的です。会社数を増やすより、現地調査の内容と説明の具体性を見ることが大切です。

Q.見積書だけを見てもらうことはできますか?

A.建物の状態を見ずに価格だけを断定することはできませんが、記載内容の不足や比較すべき項目についてはご相談いただけます。必要に応じて無料建物診断をご案内します。

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著者プロフィール

堺 俊之(さかい としゆき)

株式会社住まいるペイント 代表取締役。
外装劣化診断士・窯業サイディング塗替診断士・自然災害鑑定士。

高校卒業後、最初に就いた仕事はメインフレームのCOBOL・C言語のプログラマ。
その後、塗装、電気工事、不動産の用地仕入れ(累計76区画)、注文住宅の現場監督、下地・防水の職長(2年)と、建築と住まいに関わる現場を多面的に歩む。
1995年にサカイ美装として創業後、大規模修繕の現場で下地補修・防水の職長を務め、注文住宅の現場監督、リフォーム営業を経て2019年に法人化。
30歳のとき外傷性くも膜下出血を伴う事故を経験し、練馬区を中心に外壁塗装・防水の「診断ファースト」を実践。
「見えないところを手抜きしない」という仕事観の原点となった。
約30年にわたり、練馬区を中心とした外装リフォームの診断と施工管理に携わる。
建物の声を聞き、症状ではなく原因に処方する「建物の主治医」

メディア・所属

リフォーム産業新聞に複数回掲載
練馬区の推奨業者地域最良のおすすめ塗装業者紹介サービス
「ペイプロ」からの密着取材
プロタイムズ加盟店〔練馬石神井店〕

参考資料

※最低賃金1,280円は、2026年8月5日に公表された答申内容に基づく記載です。実際の適用にあたっては、東京労働局の最新公示をご確認ください。

最終的には、塗装業者の誠実さで命運を分けます!

建物の塗替えをする際に、何よりも大切なのは、「塗料の機能は、塗装職人の技術による適切な塗装により、建物を長く良い状態に保ってくれる」ということです。

建物の状況によって、最適な塗料は変わります。



 ” 家の表情が変わると生活が変わる “



塗装の技術力とご提案には、ぜひ一度、練馬区の塗装会社〈住まいるペイント〉にご相談ください。誠実な対応をさせていただきます。

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