塗装職人だった私が、下地・防水・木造住宅の現場監督で学んだ「家を守る工事」
こんにちは。株式会社住まいるペイント代表の堺俊之です。私は、塗装職人、下地補修・防水工事の職長、木造注文住宅の現場監督、リフォーム営業という異なる立場から建物に関わってきました。

目次
この記事の結論
外壁塗装は家を守る大切な工事ですが、建物の不具合をすべて塗装で直せるわけではありません。
外壁や屋根の状態を診断し、塗装で対応できる部分と、下地補修、防水、シーリング、板金、屋根、大工などの専門工事が必要な部分を分けることが大切です。
外壁塗装だけで家を守ることはできますか?
回答:塗装で保護できる部分はありますが、塗装だけでは対応できない不具合もあります。
塗装には、外壁材、屋根材、鉄部、木部などの表面を保護し、美観を整える役割があります。
一方で、外壁の深いひび割れ、下地の欠損、サイディングの反り、シーリングの破断、防水層の劣化、板金の不具合、木部の腐食などは、塗料を塗るだけでは解決できない場合があります。
必要なのは、最初から塗装工事と決めることではありません。建物の症状と原因を確認し、その状態に合った工事を選ぶことです。
塗装職人だった私は、下地処理に自信を持っていました
私はもともと塗装職人でした。
塗装職人として仕事をしていた頃から、仕上がりだけをきれいにするのではなく、下地処理に人一倍時間をかけているつもりでした。
「塗装は家をきれいにするためだけではない。家を守るために行うものだ」
そう考えながら仕事をしていました。
塗装前のケレン、清掃、既存塗膜の確認、ひび割れ処理などを丁寧に行うことが、塗装の耐久性につながると考えていたからです。
しかし、その後、大規模修繕工事で下地補修と防水工事の職長になったことで、それまでの自分が知っていた下地処理は、下地工事という専門分野の一部にすぎなかったことを知りました。
下地処理と下地補修は何が違うのですか?
回答:下地処理は塗装できる状態へ整える作業、下地補修は傷んだ下地そのものを直す工事です。
現場では重なる部分もありますが、この記事では次のように分けて説明します。下地処理 汚れやさび、弱った既存塗膜を除去し、研磨や清掃などによって塗料を施工できる状態へ整える作業。下地補修 ひび割れ、欠損、浮き、爆裂、脆弱部分など、塗装する面そのものの不具合を補修する工事。
表面を整えれば塗装できる状態なのか、欠損部分を撤去して補修材で成形し直す必要があるのかで、使用材料、工具、工法、担当する専門職が変わります。
下地・防水の職長になって初めて知った専門材料
下地補修の現場では、塗装工事で普段使用していた材料とは異なる、多くの専門材料を扱います。
塗装店が普段利用する塗料販売店では取り扱っていない材料もあり、下地補修材を専門に扱う商社や問屋から仕入れることがありました。
分からないことを塗料販売店へ尋ねても、下地補修について詳しい回答を得られない場合があります。
これは、どちらが優れているという話ではありません。塗料と下地補修材では、取り扱う専門分野が異なるからです。
下地補修では、欠損の大きさや深さ、既存下地の状態、施工場所に応じて材料を選びます。
- 表面を薄く整える補修なのか
- 深さのある欠損を成形し直すのか
- 樹脂モルタルを使用するのか
- 樹脂混和剤を加えるのか
- どの粒度の骨材を選ぶのか
- 一度で施工するのか、複数回に分けるのか
- どの工具で撤去・清掃・充填・成形するのか
職人の間で「ミルク」と呼ぶことがある樹脂混和剤を使用する場合もあります。
補修材の配合、塗り厚、接着性、乾燥状態、施工方法まで考える必要があり、塗装職人だった当時の私の知識だけでは判断できないことが数多くありました。
私は下地処理を誰よりも大切にしているつもりでした。しかし、下地・防水の職長になって初めて、自分が知らなかった下地の世界の広さに気づいたのです。
木造注文住宅の現場監督経験で何が変わったのか
回答:外壁表面だけでなく、建物を構成する部材と工事のつながりを見るようになりました。
下地・防水の職長を経験した後、木造注文住宅の現場監督を務めたことも、私にとって非常に大きな経験になりました。
住宅は、外壁や屋根だけで成り立っているわけではありません。
基礎、柱、梁、構造用面材、断熱材、防水紙、胴縁、外壁材、屋根、板金、サッシ、笠木、バルコニーなど、多くの部材がつながって一軒の家を構成しています。
さらに、大工、屋根、板金、防水、シーリング、左官、塗装など、それぞれの専門職が決められた順番で工事を進めます。
前の工程の施工状態が、次の工程へ影響することもあります。
雨染みが室内に現れていても、その真裏から雨水が入っているとは限りません。屋根、板金、サッシまわり、外壁の取り合い、防水層などから入り、別の場所を通って症状が現れる場合があります。
注文住宅の現場監督として、建物が完成するまでの工程を見たことで、表面だけでなく、建物全体と工事のつながりを考えるようになりました。
「家を守る塗装」と言いながら、家全体を知らなかった
塗装職人だった頃の私は、お客様に「家を守るための塗装です」と説明していました。
塗装には建物の表面を保護する役割があるため、その説明自体が間違っていたわけではありません。
しかし、下地・防水の職長と注文住宅の現場監督を経験した私は、家全体の構造や塗装以外の専門工事を十分に理解しないまま、「家を守る」と言っていたことに気づきました。
正直に申し上げると、その事実に自分自身が驚きました。
これは、塗装職人の技術を否定する話ではありません。
塗装職人には塗装の専門技術があります。下地補修、防水、シーリング、板金、屋根、大工にも、それぞれ異なる専門知識と技術があります。
一人の職人が、すべての専門分野を深く理解し、すべての工事を施工することは簡単ではありません。
外装リフォームにはどのような専門工事がありますか?
回答:建物の状態により、主に次のような工事が関わります。
| 工種 | 主な役割 |
|---|---|
| 足場工事 | 職人が高所で安全かつ安定して施工できる作業環境をつくる |
| 下地補修・左官工事 | ひび割れ、欠損、浮き、脆弱部分などを補修する |
| シーリング工事 | 外壁の目地や窓まわりなどの隙間を補修する |
| 防水工事 | バルコニーや屋上などから雨水が入りにくい状態をつくる |
| 板金・屋根工事 | 屋根材、棟板金、笠木、水切りなどを補修・交換する |
| 大工工事 | 腐食・破損した木材や下地を交換・補強する |
| 塗装工事 | 外壁、屋根、鉄部、木部などの表面を塗膜で保護する |
すべての住宅に、すべての工事が必要なわけではありません。
建物の状態が良ければ、必要な下地処理を行ったうえで塗装を中心に進められる場合があります。一方、塗装より先に下地補修、防水、板金、屋根、大工工事を行う必要がある場合もあります。
国土交通省は工事をどのように分類していますか?
回答:国土交通省は建設工事を29種類に分類し、屋根、板金、塗装、防水などを別の専門工事として整理しています。
国土交通省の資料では、主に次のように説明されています。
- 屋根工事:瓦、スレート、金属薄板などで屋根をふく工事
- 板金工事:金属薄板を加工して工作物へ取り付ける工事
- 塗装工事:塗料や塗材などを塗り付ける工事
- 防水工事:シーリング、塗膜防水、シート防水、注入防水など
これは建設業法上の業種区分であり、住宅現場で使用する職種名と完全に一致するわけではありません。
しかし、塗装、屋根、板金、防水が、それぞれ専門性を持った異なる工事として整理されていることは確認できます。
住まいるペイントが「塗装は一工程」と考える理由
私が「塗装は外装リフォーム工事の一工程です」とお伝えしているのは、机上で考えた言葉ではありません。
塗装職人、下地・防水の職長、木造注文住宅の現場監督、リフォーム営業として建物を見てきた経験から出た結論です。
- 塗装で直せる部分は、正しい下地処理と塗装で守る
- 塗装では直せない部分は、状態に合った専門工事を選ぶ
- 各工事が正しい順番でつながっているか確認する
- 完成後に見えなくなる工程を写真と報告書に残す
住まいるペイントでは、最初に建物全体を診断し、工事が必要な箇所と、まだ経過を見られる箇所を整理します。
必要な工事については、工種に応じた専門職を配置します。施工する職人とは別に、現場経験のある社員監督が工程を確認し、下地補修や防水など、仕上げ後に見えなくなる部分も記録します。
塗装すること自体を目的にするのではなく、建物の症状と原因に合った工事を選ぶ。
それが、住まいるペイントが目指している「建物の主治医」としての役割です。
見積書を受け取ったときの質問
見積書を受け取ったら、次の質問をしてみてください。
今回の工事には何種類の工事があり、それぞれ建物のどの症状を直すために行うのですか?
工事名と金額だけでなく、診断結果、工事の目的、担当する専門職、工程確認の方法まで説明を受けることで、見積書の内容を理解しやすくなります。
よくある質問
Q.外壁塗装だけで雨漏りは直りますか?
A.原因によって異なります。塗膜の劣化が関係している場合もありますが、屋根、板金、シーリング、防水層、サッシまわりなどが原因の場合もあります。浸入経路を確認してから工事を決める必要があります。
Q.下地処理と下地補修は同じですか?
A.重なる部分はありますが、同じとは限りません。下地処理は塗装できる状態へ整える作業、下地補修はひび割れや欠損など、下地そのものを直す工事として区別して考えると分かりやすくなります。
Q.外壁のひび割れは、すべて同じ材料で直せますか?
A.いいえ。ひび割れの幅、深さ、原因、外壁材、動きの有無などで補修方法が変わります。表面補修、樹脂注入、樹脂モルタルなどから状態に合った方法を選びます。
Q.外装リフォームには必ず7種類の工事が必要ですか?
A.いいえ。7種類は代表例です。実際に必要な工事は、建物の構造、使用材料、劣化状態、過去の修繕履歴によって変わります。
Q.複数の専門職が施工する場合、誰が全体を確認しますか?
A.会社ごとに体制が異なるため、契約前に確認してください。住まいるペイントでは、施工する職人とは別に、現場経験のある社員監督が工程を確認します。
9月25日・26日 屋根&外壁塗り替えセミナー
塗装、下地補修、防水などの違いや、見積書を確認する際のポイントを住宅所有者の方に分かりやすく解説します。参加は無料です。
- 日時:2026年9月25日(金)・26日(土) 両日10時30分~12時30分
- 会場:貫井図書館 視聴覚室(東京都練馬区貫井1-36-16)
- 申込み:塗り替えセミナー受付センター 0120-151-433(9時~18時)
- 主催:株式会社住まいるペイント
- 後援:一般財団法人 塗装品質機構(PQA)
※貫井図書館・練馬区の主催ではありません。
無料相談・お問い合わせはこちら
0120-39-4116(フリーダイヤル)
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著者プロフィール

堺 俊之(さかい としゆき)
株式会社住まいるペイント 代表取締役。
外装劣化診断士・窯業サイディング塗替診断士・自然災害鑑定士。
高校卒業後、最初に就いた仕事はメインフレームのCOBOL・C言語のプログラマ。
その後、塗装、電気工事、不動産の用地仕入れ(累計76区画)、注文住宅の現場監督、下地・防水の職長(2年)と、建築と住まいに関わる現場を多面的に歩む。
1995年にサカイ美装として創業後、大規模修繕の現場で下地補修・防水の職長を務め、注文住宅の現場監督、リフォーム営業を経て2019年に法人化。
30歳のとき外傷性くも膜下出血を伴う事故を経験し、練馬区を中心に外壁塗装・防水の「診断ファースト」を実践。
「見えないところを手抜きしない」という仕事観の原点となった。
約30年にわたり、練馬区を中心とした外装リフォームの診断と施工管理に携わる。
建物の声を聞き、症状ではなく原因に処方する「建物の主治医」
メディア・所属
・リフォーム産業新聞に複数回掲載
・練馬区の推奨業者地域最良のおすすめ塗装業者紹介サービス
・「ペイプロ」からの密着取材
・プロタイムズ加盟店〔練馬石神井店〕
参考資料・確認日
- 国土交通省「建設業の許可とは」(2026年9月17日確認)
- 国土交通省「業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方」(2017年11月10日改正、2026年9月17日確認)
- Google Search Central「AI features and your website」(2025年12月10日更新、2026年9月17日確認)
※材料や補修方法は、建物の状態、既存材料、施工場所、製品仕様によって異なります。個別住宅の工事要否は、現地調査と各材料メーカーの仕様書を確認して判断します。
最終的には、塗装業者の誠実さで命運を分けます!
建物の塗替えをする際に、何よりも大切なのは、「塗料の機能は、塗装職人の技術による適切な塗装により、建物を長く良い状態に保ってくれる」ということです。
建物の状況によって、最適な塗料は変わります。
” 家の表情が変わると生活が変わる “
塗装の技術力とご提案には、ぜひ一度、練馬区の塗装会社〈住まいるペイント〉にご相談ください。誠実な対応をさせていただきます。