
お住まいのメンテナンスというと、「外壁」や「屋根」を真っ先に思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
しかし、外装リフォームの現場で建物を診断していると、意外と見落とされがちなのが敷地の境界にある「ブロック塀」や、建物を支える「擁壁(ようへき)」の劣化です。
少し振り返らせてください。2025年9月30日の夜、東京都杉並区堀ノ内一丁目で擁壁が崩れ、戸建て住宅が全壊するという大変ショッキングな事故が起きました。
住人の方が事前に避難されていたため人的被害はありませんでしたが、近隣5世帯が一時避難する事態になりました。
土の圧力によって擁壁の亀裂が進行し、高さ4〜5メートルの擁壁が崩落。
建物は全壊し、がれきが隣接するマンションのベランダにも流入しました。
当該擁壁は1968年(昭和43年)に建造。実に57年前のもの。
1984年(昭和59年)には杉並区が亀裂を確認。以降、モルタル補修は複数回おこなわれていましたが、抜本的な安全対策はされていませんでした。
区は当時の所有者に8回、現所有者に3回、改善指導を実施。工事業者を探していた矢先の崩壊。
🔻この事故について詳しく書いた記事はこちらから
一歩間違えれば大事故に繋がりかねない危険は、実は私たちの身近に潜んでいます。
今回は、ご自宅の塀や擁壁に現れる危険なサインと、安全対策のために活用できる行政の助成金(練馬区・杉並区)について分かりやすく解説します。
目次
杉並区の助成制度①|擁壁・がけの安全対策工事
前回の事故を受け、杉並区は擁壁や崖の安全対策を後押しする助成制度を設けています。
費用の問題で後回しにしていた方にとって、活用しやすい制度です。
| 対象 | 杉並区内の擁壁・がけの所有者または管理者(個人・法人) ※不動産業者(業として宅地建物取引を行う者)は除く |
|---|---|
| 対象工事 | ・擁壁の築造替え・補強・新設工事 ・地下室の外壁(土圧を受ける部分)の工事 ・助成対象工事の設計費も対象 |
| 助成金額 | 工事費用・規模に応じた上限設定あり(9千円〜21万円/m) ※詳細は窓口での事前相談にて確認 |
| 窓口 | 杉並区 都市整備部 建築課 建築企画係 |
| 重要特例措置 | 令和7年(2025年)10月1日〜令和8年(2026年)3月31日の間に契約・着手した工事についても、遡って助成対象となる場合あり。 事前相談書の提出期限は令和8年(2026年)11月30日まで。 |
擁壁は、土の重さ(土圧)や内部に溜まった雨水の圧力(水圧)を常に受け続けています。
一見すると頑丈なコンクリートの塊に見えますが、何十年も雨風に晒されれば、外壁と同じように確実に劣化は進行します。行政が助成金を出してまで対策を促しているということは、それだけ「老朽化した擁壁の崩壊リスクが深刻である」という事実の裏返しでもあります。
📋 申請の流れ
- まず区窓口またはオンラインで事前相談(対象工事かを確認)
- 助成対象となったら必要書類を添えて交付申請
- 交付決定を受けてから工事契約・着工
- 工事完了後に完了報告を提出して助成金受領
※クリックするとパンフレット(PDF)がご覧いただけます※

参考サイト:擁壁等安全対策工事等の助成
杉並区の助成制度②|ブロック塀の撤去・新設
擁壁だけでなく、危険なブロック塀についても杉並区は助成制度を設けています。
通学路や避難路に面している場合は、助成額が大幅にアップします。
| 対象者 | 区内でブロック塀等を所有・管理する者(住民税を滞納していないこと) |
|---|---|
| 撤去のみ | 実費の2/3と、1mあたり23,000円で算出した額のいずれか低い方 上限:50万円(通学路・避難路に面する場合は100万円) |
| 撤去+新設 | 撤去費(上記と同計算)+新設費の実費の2/3 上限:50万円(通学路・避難路に面する場合は100万円) |
| 注意締切 | 年度ごとに2月末日までに完了報告が必要(令和6年度が現行制度の最終年度予定だったが、次年度についても要確認) |
| 窓口 | 杉並区 市街地整備課 耐震改修担当(西棟3階11番) |
⚠️ 助成金の申請は工事着手前が必須です。撤去してから申請しても対象外になります。
まず区に相談してください。
※クリックするとパンフレット(PDF)がご覧いただけます※

参考サイト:ブロック塀等安全対策支援
練馬区で活用できる「ブロック塀等撤去助成」
練馬区では、地震による倒壊被害を防ぐため、「ブロック塀等の撤去費用」に対する助成金制度が設けられています。
平成30年(2018年)の大阪北部地震でブロック塀倒壊による死亡事故が起きて以降、多くの自治体が制度を整備・拡充してきました。
危険が潜んでいるのは、高低差のある擁壁だけではありません。
地震大国である日本において、老朽化した「ブロック塀」の倒壊も非常に危険な問題です。
| 対象のブロック塀 | ・区内の道路等に面している ・地上から高さ80cm以上 ・危険度チェックリストで1つ以上チェックがつくもの |
|---|---|
| 対象者 | ブロック塀等の所有者またはマンション管理組合 ※住民税・法人住民税を滞納していないこと |
| 助成金額① 安全性に疑いのある塀 | 8,000円/m +高さが1mを超える場合、10cmごとに500円/mを加算 |
| 助成金額② 危険性が高い塀 | 17,000円/m +高さが1mを超える場合、10cmごとに1,000円/mを加算 ※平成30年度点検済みの塀が対象(個別案内あり) |
| 窓口・連絡先 | 練馬区役所本庁舎7階 危機管理室危機管理課 📞 03-5984-2438 |
⚠️ 注意事項
・申請は必ず撤去工事の契約前に行ってください
・撤去後の塀は道路側から高さ60cm以下にする必要があります
・撤去後に新たに60cmを超えるブロック塀等を設置することはできません
実際の費用が助成限度額より少ない場合は、実費が助成金額になります
一定の高さがある古いブロック塀を撤去し、軽量で安全なフェンスや生垣へ切り替える際などに活用できる制度です。
「うちのブロック塀、古くて地震が来たら倒れないか不安……」と感じている方は、万が一の被害を防ぐためにも、こうした制度の活用をおすすめします。
※クリックするとパンフレット(PDF)がご覧いただけます※

参考サイト:ブロック塀等撤去費用助成について
プロが教える!ご自宅の塀・擁壁の「危険なサイン」
「危険かどうか、自分では判断できない」という方が大半だと思います。
そこで、ご自宅の周りを歩いて簡単に確認できる4つの危険信号(セルフチェックのポイント)をご紹介します。
① 水抜き穴から水が出ていない・詰まっている
擁壁の下部にある「水抜き穴」は、土の中の水を逃がして水圧を下げるための重要な役割を持っています。ここが土や草で塞がっていると、擁壁の内側に水がパンパンに溜まり、内側から崩壊させる大きな力が働いてしまいます。
② ブロックやコンクリートに「ひび割れ(亀裂)」がある
外壁と同じく、表面のひび割れから雨水が侵入すると、内部の鉄筋が錆びて膨張し、コンクリートを内側から破壊してしまいます(爆裂現象)。強度が著しく落ちているサインです。
③ 表面に「白い粉」が大量に浮き出ている
「エフロレッセンス(白華現象)」と呼ばれるものです。内部に侵入した水分がコンクリートの成分を溶かし出し、表面で結晶化した状態です。これも内部に水が回っている証拠であり、放置は禁物です。
④ 塀や擁壁が「傾いている・孕(はら)んでいる」
少しでも斜めに傾いていたり、お腹が出るように膨らんだりしている場合は、土の圧力に耐えきれなくなっている限界のサインです。早急な専門家の診断が必要です。
塀の施工事例(外構リフォーム)
施工前

施工後

お隣様との境にあるブロック塀の経年劣化やプライバシー性がないことを気にされ、耐久性や安全性を高めたいというご要望があり、腰高のブロック塀を約2m弱に積み上げる外構リフォームをさせていただきました。
🔻詳しくはこちらの記事をお読みください
このように完成した塀は、外構全体の美観も高めるだけではなくブロック塀の安全性を高める施工となり、お施主様にご満足いただけました。
先日練馬区で塀の塗装を施工いたしました。
経年劣化したコンクリート塀に塗装をすると汚れやコケを防ぎ、見た目を綺麗に保つことができます。
また表面をコーティングすることで塀を保護することが可能です。
施工前

施工後

塗装することにより、防水性が向上し雨水がコンクリートやブロックの内部に染み込むのを防ぎます。
またコンクリートは本来アルカリ性です。空気中の二酸化炭素に触れると中性化し、内部の鉄筋が錆びやすくなります。
塗装で表面を覆うことで、この中性化を遅らせることができます。
⚠️しかし、塗装だけでは構造の強化はできません。
すでに劣化が始まっているものや、構造上の問題を抱えているものを、塗料の膜(厚さわずか数ミリ)で支えることは不可能です。
内部の鉄筋が錆びて膨張(爆裂現象)、ひび割れしている場合、表面だけを塗っても内部の破壊は止まりません。
傾き始めた擁壁を物理的に支えたり、元の強度に戻したりする力は塗料にはないのです。
劣化した状態のまま放置すると、大きな事故や損傷につながる可能性もありますので、判断に不安に思われたならプロの診断を受けることをおすすめします。
外壁も塀も、目的は「暮らしの安全を守ること」
私たち住まいるペイントが外壁塗装や建物診断を行う一番の目的は、「家を綺麗に見せること」ではなく「ご家族と、その周囲の方々の命と暮らしを守ること」です。
もし、ご自宅のブロック塀や擁壁を見て「少しでもおかしいな」と感じたり、「うちの塀は助成金の対象になるのだろうか?」と迷われたりした時は、一人で悩まずに、まずは専門家である私たちにご相談ください。
「建物の主治医」として、外壁や屋根だけでなく、敷地全体を客観的な視点でしっかりと診断いたします。
🩺 まずは無料の建物診断から。ブロック塀のひび割れ一つでもお気軽にご相談ください。
📞 0120-39-4116(フリーダイヤル)
💬 [LINEで写真を送って外装劣化の一次判定を受ける(無料・写真1枚でOK)] LINEで写真診断する
🏠 上石神井ショールームに行ってみる(西武新宿線 上石神井駅 徒歩10分)
※しつこい営業は一切ありませんのでご安心ください。
最終的には、塗装業者の誠実さで命運を分けます!
建物の塗替えをする際に、何よりも大切なのは、「塗料の機能は、塗装職人の技術による適切な塗装により、建物を長く良い状態に保ってくれる」ということです。
建物の状況によって、最適な塗料は変わります。
” 家の表情が変わると生活が変わる “
塗装の技術力とご提案には、ぜひ一度、練馬区の塗装会社〈住まいるペイント〉にご相談ください。誠実な対応をさせていただきます。