知らないと損をする自己負担なしで屋根を補修する方法
ここ数年、日本でもゲリラ豪雨や突風など、激しい気象条件に見舞われる機会が増えました。そのため、住宅への被害も増えて、思わぬ出費で頭を悩まされている方が増えています。
しかし、修理費用が高いからといって、修理せずに、「台風の後から雨漏りをするようになった」「竜巻のような突風で家の外壁がめくれてむき出しのままになった」「雪の重みで屋根が損傷してしまった」という状態のままにしておくと、より一層、家の傷みが激しくなるので、そのまま放置しておくというわけにはいきません。
そんな時に注目したいのが火災保険です。
※火災保険や地震保険などの損害保険には、被害に遭われてから【法律上3年】という請求期限がございます。ご注意ください。
火災保険は火事だけのものではない
一戸建てでもマンションでも、日本ではほとんどの方が、火災保険に加入されています。
内心、「火事なんて今まで起こったこともないし、ちょっともったいないな」と思いながらも 万が一の時のことを考えて支払っている方も多いのではないでしょうか。
でも、火災保険は火事がおこった時だけに役立つのではないということをご存知でしょうか。
実は、火事が起こった時のためと思ってかけている火災保険が、条件によっては屋根の修理や交換といった家のリフォームで役立つのです。そのため、多額のリフォーム費用がかかると思っていたのに、「自己負担なしでリフォーム出来た」というケースもたくさんあります。
あなたが加入している火災保険はどのタイプ?
火災保険といえば、火事が起こった時に、家や家具などの家財だけが補償対象と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。もちろん火災保険の主な目的は、火災で損傷を受けた住宅や家財への補償です。
しかし、最近では火災保険といっても主に3つのタイプの火災保険があります。
それが以下の3種類です。
- 「住宅火災保険」
- 「住宅総合保険」
- 「新タイプの保険」
「住宅火災保険」と「住宅総合保険」
「住宅火災保険」と「住宅総合保険」は両方、一戸建てやマンションなど居住目的の建物が対象になる火災保険です。その違いは補償範囲の違いにあり、「住宅総合保険」は盗難などの場合にも適用される、など住宅火災保険より手厚くなっています。
「新タイプの保険」
さらに、この住宅総合保険より補償範囲を拡大されたのが「新タイプの保険」です。新タイプの保険のなかには、実際に損害を受けた額を補償してくれるものもあります。ご加入の保険会社や保険プランによっても補償範囲が違いますので下、記の表を参考にしながら、現在、ご加入中の保険がどのタイプか確認してみましょう。
火災 | 落雷 | 破裂・爆発 | 風災 | 水害 | 水濡れ | 暴行・破壊 | 飛来・落下・衝突 | 盗難 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
住宅火災保険 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × | × | × | × | × |
住宅総合保険 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
新タイプの保険 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
どんな時、リフォームに火災保険が適用されるの?
「屋根や外壁の補修にも火災保険が使える」とお知り合いの方から聞いて、屋根や外壁などが壊れて住宅の補修やリフォームを考えている、とご相談いただく方がよくいらっしゃいます。
でも、屋根や外壁の補修をする際、無条件に火災保険が適用されるわけではありません。屋根や外壁の補修・リフォームで火災保険が適用されるケースはいくつかあります。ここでは代表的なケースをいくつかご紹介しましょう。
- 台風や竜巻で屋根や外壁が破損してしまった
- 台風により雨漏りがするようになった
- 台風により雨樋が破損した
- 雪の重みで屋根が破損してしまった
- 雹(ヒョウ)被害で屋根が破損してしまった
- 雹(ヒョウ)で雨どいに穴があいてしまった
①台風や竜巻で屋根や外壁が破損してしまった
台風により外壁の一部が破損しています。
台風の強風や風に飛ばされた飛来物などで外壁に被害を受けることは多々ありますので、台風後の点検は欠かさず行うようにしましょう。
②台風により雨漏りがするようになった
③台風により雨樋が破損した
台風での被害において、雨樋の破損は比較的多い事例です。
④雪の重みで屋根が破損してしまった
雪の重みでカーポートが破損しています。
積もり固まった雪がその重みで建物を倒壊させたり、屋根や斜面から滑落して、思わぬ事故を引き起こすことも多々報告されています。
⑥雹(ヒョウ)で雨どいに穴があいてしまった
雹(ヒョウ)により雨樋に穴が開くこともあり、このようなケースの場合、補修やリフォームにかかる費用に、火災保険が適用される可能性が高いです。
※日本経済新聞 2021.2.21掲載「火災保険の見直し 補償範囲や特約・付帯も確認 〜FPがお悩み解決〜」より引用しました下記の図も分かりやすいので、ぜひ参考にしてください。
風災補償がついているかが大きな鍵
火災保険には、いろいろなタイプのものがあるけど、「どのタイプでも家の補修やリフォームにかかる費用が補償されるの?」という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
台風や竜巻、雪や雹といった自然災害でご自宅が損傷した場合に、補償対象になるかどうか見極めるポイントがあります。
それが、現在ご加入中の火災保険に【風災補償】がついているかどうかです。
保険会社や保険プランによっては、この【風災補償】を火災保険加入時に付けるかどうか選択できるものもあります。
そのため、加入している火災保険には【風災補償】をつけていなかったという場合があります。
保険会社の調査で【風災補償】に加入している割合が、2割~6割弱という結果
実際に保険会社の調査では【風災補償】に加入している割合が、2割~6割弱という結果が出ています。なかでもマンションにお住まいの場合は、屋根や外壁の補修やリフォームは大家さんや管理会社・組合が対応することがほとんどなので、保険加入時にほとんどの方が【風災補償なし】を選択しています。
こうした【風災補償なし】の場合だと火災保険が適用されず、実費でのリフォームが必要となります。
反対に、自費で屋根のリフォームをしようと思っていたら、施工業者から「火災保険の対象になるかもしれませんよ」と指摘を受け、申請をしてみたら自己負担なしで屋根の修理が出来たという事例もあります。
私はお客様に、より正確に保険適用情報をお届けするため、 火災保険適用工事の専門家として「自然災害鑑定士」の資格も取得しております。
たとえば、普通に屋根の工事をしたいとご相談をいただいたお客様のご自宅を訪問し現場を確認すると、風災被害だとわかることがあります。火災保険の補償が受けられますとご提案して手続きを踏み、保険請求のお手伝いをさせていただいた実績がございます。
お客様からは「思いがけず保険金が下りて、工事費用全額が自己負担でなくなった」とのお喜びの声をいただきました。資格を取得してよかったと思える瞬間でした。保険適用について知識がない担当者の場合、このような提案はできなかっただろうとも思います。
お得に賢く修繕するためにも、是非「住まいるペイント」にお問い合わせください。
弊社ブログには、火災保険を使って自然災害被害箇所を直す方法を詳しくまとめた記事もございます。まだ記事をご覧になられていない方は、そちらもご覧ください。
リフォームできる範囲
せっかく火災保険を使ってリフォームするのだったら、この際に、新しく最新の状態にして少しでも家の価値があがるようにしたい、とお考えの方もいらっしゃると思います。
しかし、火災保険を使ってリフォームされる際には注意が必要です。火災保険を使ってリフォームする際の原則として、現状回復の範囲までしか補償されません。
つまり、風や雹、雪が原因で自宅の屋根や壁が壊れた場合でも、価値を高めるようなリフォームは対象にならないのです。
しかし、屋根や壁など壊れた部分を損害が起こる前の状態の戻す修理として、新品の材料に交換する必要があれば補償の対象となる可能性が考えられます。
その結果として、補修部分が新しくリフォームされたという状態になることもあります。
経年劣化だからとあきらめていたのに火災保険が適用されることも
屋根や壁などに損傷があった場合でも、経年劣化による傷みだった場合は火災保険が適用されません。
しかし、この経年劣化については第三者機関の鑑定人が判断します。そのため、ご自身では家が古いし、経年劣化だろうとあきらめていたところを専門家が見たら 風災補償の対象になると判断されたケースも少なくありません。「台風などが原因で屋根に傷みがあるのを見つけたけど、雨漏りしていないから大したことがないのかな」と思っていませんか。
実はこうした場合でも、専門家に見てもらうと私たちが見た目で分かる以上に傷んでいたというケースもあります。特に、屋根は一度傷みだすとその進行は早く、外壁の2倍以上の早さで傷みます。
そのため、風や雪が原因となっていれば些細な傷みでも修理することができます。
特に台風の通過が多いエリアや冬場に積雪が多いエリアにお住まいの方は、少しでも屋根に不安を感じている場合は、火災保険申請に対応できる業者に見てもらうことをおすすめします。